大森 迅人さん(Omori Hayato)
株式会社Nanimono CEO & Founder
2026年5月25日創業。建設・運送・製造・清掃など、日本を支えるインフラ産業(ブルーカラー領域)に特化した営業代行・事業開発を手がける。大学3年から建設特化の人材紹介会社の創業期にインターンとして参画。個人事業主を経て法人化。

経営者100人インタビュー、今回のゲストは株式会社Nanimonoの大森迅人さんです。創業は2026年5月25日——TSUNAIDEの5日前です。ほぼ同期の経営者に、営業の話をたっぷり教わりました。

— この回のハイライト

収録28分から、要点だけ6つ

  • 建設・運送・製造・清掃。「現場の業界」に特化した営業代行
  • テレアポは入口だけ。つながったら必ず対面で会いに行く
  • 「超解像度で課題を言い当てる」と、『なんでわかるの』になる
  • いきなりM&Aは売らない。営業代行→採用支援→経営相談の順番
  • 父は建設職人、おじは電気工事会社。家系から始まった原点
  • 社名「Nanimono」に込めた、「何者かになりたい」という欲求の肯定

Q1|創業のきっかけから教えてください

— 金子
創業した年と、どういうきっかけで創業されたか、いまやられている事業内容を簡単に教えてもらえますか。
— 大森

創業したのは2026年5月25日です。もともと2025年3月から個人事業主として、営業代行や事業開発を、特にスタートアップ企業さま向けにやってきました。HRテック、人材紹介、SaaS、M&A仲介——主にBtoBの新規開拓や、代理店をつくって販路開拓していくアライアンスというところです。

個人事業主としてある程度お仕事をいただけるようになったんですけど、そもそも起業するために個人事業から始めたので。1年以上やったし、中長期の目標を持って、組織をつくって、事業のテーマを持ってやっていきたい——という段階になったので、創業しました。

いまやっているのは、ブルーカラーですね。いわゆるインフラ産業。建設、運送、製造、清掃とか、日本を支えるインフラ産業向けの営業代行をやらせていただいています。

Q2|つながりにくい業界に、どう営業するんですか

— 金子
私も営業代行をやっているのでわかるんですが、建設業って、テレアポしてもなかなか接触できない感覚があって。どういう形でアプローチして、成果を出しているんですか。
— 大森

たしかに現場に出られていて、つながりにくいところはあります。でも、つながった場合は、できる限り対面でお客さんとお会いするようにしています。オンライン商談を重ねて効率よく回すというよりは、一社一社訪問させていただいて、各会社さんごとに個別の提案資料をつくって、丁寧に向き合っていく。

入口のアポの取りやすさで言うと、たしかに難しい。でも、取ったあとの質をしっかり担保していく。あとは中小企業のコミュニティで飲み会営業をしたりとか、とにかく対面で、ひとりでも多くのオーナー社長さんと会って、いま困っていることを聞いて、その会社に刺さる個別の提案を持っていく。オンライン商談は、ほぼやっていないです。

オンラインでミーティングを組んでも、参加されないケース、参加できないケースがある業界なんです。だからこそ対面で話してくれる「困っている情報」や、業界の商習慣が見えてくる、というのはありますね。

Q3|営業のコツを、ひとつ挙げるなら

— 金子
いろんな業界でテレアポをやってこられて、再現性のあるコツってあるんですか。
— 大森

超解像度高く、課題を言い当てる。それがすべてかなと思っています。

たとえば「隣の電気工事の会社さん、採用単価300万かかると聞いたんですけど、御社ももしかして、それくらいかかっていませんか?」と言うと、「なんでわかるの」となるんですよ。そこに対して「うちでやったら、採用保証をつけてこの単価でやれます」だったら、課題に対してクリティカルじゃないですか。それを各業界でやっていくだけです。

「集客したいですか、採用したいですか」みたいな浅いヒアリングだと、取れなくて当然だし、商談の角度も上がらない。トークスクリプトを読んで「うまくいきませんでした」で止まるんじゃなくて、どういうスクリプトだったらいいか、自分でABテストできる。そういう、頭を使う営業がしたいんです。

超解像度高く、課題を言い当てる。
「なんでわかるの」と言われたら、勝ちなんです。

Q4|この先は、どこへ向かうんですか

— 金子
営業代行から始めて、その先の展開はどう考えているんですか。
— 大森

まず営業代行・採用支援で、現場でいま本当に困っていることを即解決する。そこで信頼が貯まったら、経営的な観点のご相談もいただけるようになりたいと思っています。

建設業って、黒字倒産の割合がいろんな業界の中で一番高いんですよ。取引先が偏っていることで倒産してしまうケースもある。だから、取引先を分散させる販路開拓は営業代行でできるし、人手不足は採用支援でできる。会社を売りたい・買いたいとなった場合はM&A仲介。

ただ、いきなりドアノックで「M&A仲介をします」だと、信頼もない。しっかり業界の課題と業界のネットワークをつくっておけば、より経営的な観点でも支援できる。一からテレアポをめちゃくちゃするというよりは、「この業界で営業代行といえばNanimono」というシェアを取って、向こうから相談いただける状態をつくる。会食で「そういえば経営でこういうこと困ってるんだよね」と言われたときに、すぐ出せる状態ですね。焼き畑的に広げるんじゃなくて、信頼を重ねていけたらと思っています。

Q5|原点は、どこにあるんですか

— 金子
キャリアの話も聞かせてください。なぜこの道に入って、なぜ法人化したんですか。
— 大森

営業のキャリアのスタートは、大学3年のときです。建設特化の人材紹介会社で、社長がひとりしかいないタイミング——本当に創業期×新規事業というときにインターンで入らせていただいて、一からお客さまを開拓していく経験をしました。ゼネコンとかサブコンとか工務店とか。

そもそも、親が自営業なんですよ。おじが電気工事の会社をやっていて、父親も建設系の職人です。家系的に自営とか経営寄りだったのがまずあって、自分も起業家に憧れていた。だからインターンも、インターン生が数百人いるような会社じゃなくて、あえて人数が少なくてこれからどうしていこうという、カオスな環境を選んで修行した感じですね。起業するためのキャリアを積み重ねてきた、というほうが正しいです。

Q6|社名「Nanimono」の由来を教えてください

— 金子
最後に、大森さんのほうから「これは話したい」ということがあれば。
— 大森

会社名のところですね。株式会社Nanimono——「何者」がどこから来ているかというと、私自身、「何者かになりたい」という欲求が結構強いんです。それもあって起業したいとか、人と違うことをしたいという動機が常にあった。

ネット上だと「何者にもなれないことに、まだ気づいていないんだ」みたいな言説があるじゃないですか。でも私は、何者かになろうとすることを諦めた瞬間、自分は終わりだと思っていて。痛くてダサくて泥臭くてもいいから、何かになろうとしている人間がかっこいい——というカルチャーをつくっていきたいんです。

一緒に働くメンバーもそうだし、自分自身もそうだし、取引先さんもそうです。自分の会社の良いところが何なのかわからなくて埋もれてしまっている会社さんがあれば、営業の力で掘り起こせる。この社名に共感していただけるのであれば、ぜひ、という感じですね。

痛くてダサくて泥臭くてもいいから、
何かになろうとしている人間が、かっこいい。

— 金子
承認欲求って、隠すものだと思っていました。
— 大森

逆に、20代で承認欲求を隠していたら終わりだと思っています。みんな、承認欲求を隠しすぎだと思うんですよ。特にBtoBの商売をやっている人って、承認欲求とか個性とか、捨てがちじゃないですか。それをムンムンに出していく組織があってもいいんじゃないかと。

目立ちたい欲求とか、モテたい欲求とか、だらしない欲望とかを隠しまくっていても、いまはみんなSNSで感度が高いので、見抜かれるんですよ。「こいつは本音で喋ってない」って。どうせバレるなら出し切って、堂々とやる。思ったことをそのまま言う。そこは変に大人にならなくていいんじゃないかなって思っています。

おわりに|一緒に働く人を探しているそうです

Nanimonoでは現在、営業×事業開発ができるメンバー(業務委託・インターン)を募集中とのこと。「営業リストを渡してテレアポをしてもらう作業者を量産したいんじゃない。将来independentに稼ぎたい人、起業したい人、事業の0→1をやってみたい人に来てほしい」と話していました。クライアント・自社・働く人の三方が同じ目標を向くインセンティブ設計にしている、という話も印象的でした。ピンと来た方は、Nanimonoさんへ。

——収録を終えて。「自分にできることを最大化したくて独立した」つもりでいた私ですが、大森さんの話を聞きながら、ああ、私も「何者かになりたい」側の人間だ、と気づかされました。創業5日違いの同期に、営業の技術と、欲求に正直でいる勇気を教わった28分でした。

(収録:2026年7月 / 収録時間:28分 / 収録形式:音声 / 構成:TSUNAIDE 編集部)