ウェビナーが終わった直後、参加者リストを上から順に電話していく。私も昔はそうしていました。結果、つながった人の半分は「あ、途中で離脱しちゃって」という反応で、商談どころか気まずい空気になって終わる。これを何十回も繰り返して、ようやく気づきました。参加者は全員同じ熱量じゃない。むしろ視聴時間でくっきり分かれているんです。

展示会支援でもテレアポでも同じですが、TSUNAIDEでは成果を名刺の枚数や参加者数ではなく「次回商談の日程を確定できた件数」で測っています。ウェビナーも同じ考え方です。参加した人数を眺めても意味がない。視聴時間というデータが手元にあるのに、それを使わずに一律で追いかけるのは、正直もったいないんです。

視聴時間で3段階に分ける

まず私がやるのは、参加者を機械的に3段階に分けることです。目安はこうしています。

  • 80%以上視聴:本気度が高い層。当日〜翌営業日に電話する
  • 40〜80%視聴:関心はあるが決め手に欠けている層。メールで補足情報を送ってから電話する
  • 40%未満:情報収集目的か、他の予定と被った可能性が高い層。無理に電話せず、次回案内だけ送る

この線引きに正解はありません。私たちの案件では80%というラインが「その場で刺さった人」と「なんとなく開いていた人」を分ける境目になることが多かった、というだけです。自社のウェビナーで何回か試して、自分たちの線を見つけるしかない。ここは地味な作業ですが、飛ばせません。

電話するセリフは視聴時間で変える

ここが一番大事なところです。同じ電話でも、視聴時間が違えば話す内容を変えないといけません。80%以上見てくれた人には、こう聞きます。

「今日のセミナー、後半の事例のところまでご覧いただいてましたよね。あの内容、実際に近い状況ってありますか?」

これは「見てくれていた」という事実を前提に話しかけるので、相手も「あ、ちゃんと見てたのわかってるんだ」と構えずに答えてくれます。一方で40〜80%の層には、いきなり内容の話をすると「そこまでちゃんと見てなくて」と気まずくさせてしまう。だからこう聞きます。

「途中で他の業務が入られたかもしれないですが、冒頭でお話しした〇〇の部分だけ、資料でもう一度お送りしましょうか?」

離脱を責めない。むしろ「忙しいのは当然」という前提で、情報を渡すことに徹する。ここで無理に商談を取ろうとすると、たいてい断られます。私はここで焦って失注した経験が何度もあります。

判断の分かれ目:電話するか、メールだけにするか

では40%未満の層は本当に電話しなくていいのか。ここは条件で分けています。過去に自社の展示会やウェビナーに複数回参加している人であれば、視聴時間が短くても電話します。理由は単純で、複数回接点がある人は「今回はたまたま忙しかった」だけの可能性が高いからです。逆に、今回が初参加で視聴時間も短い人には、電話ではなくメールだけにします。ここで無理に電話をかけると、担当者の時間を奪うだけで終わることが多い。

もうひとつの分かれ目は、申込時のアンケートに具体的な課題が書かれているかどうかです。視聴時間が短くても、アンケートに「〇〇で困っている」と書かれていれば、私は迷わず電話します。視聴時間はあくまで補助線で、絶対の指標ではありません。当社が支援するテレアポ案件でも、リストの精度を上げることでアポ獲得率が0.6%から3.2%まで上がった実績があります(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。これは電話の話し方より先に、誰に電話するかを絞り込んだ結果です。ウェビナーの追客も構造は同じです。

結局、最後は人がやり切るかどうか

視聴時間で分けるのはただの仕分け作業です。正直、地味です。エクセルとにらめっこして、誰が何分見たか確認して、テンプレを使い分けて電話する。かっこいい話は何もありません。でもこの仕分けをサボると、80%見てくれた本気の人にも、5分で離脱した人にも同じセリフで電話することになる。それでは商談化率は上がりません。

当社は展示会支援を主軸にしながらAI開発と営業代行も手がけていますが、どの領域でも共通しているのはここです。データを分けたら、そのデータに合わせて人が動く。仕組みだけでは商談は生まれません。最後は電話をかける人、メールを書く人がやり切るかどうかです。

実務チェックリスト

  • ウェビナーツールで参加者ごとの視聴時間データを出力する
  • 視聴時間を3段階(高・中・低)に区切ってリストを色分けする
  • 各段階ごとに電話・メールのテンプレを3種類つくる
  • 80%以上視聴した層には当日〜翌営業日中に電話をかける
  • 過去参加履歴とアンケート内容を視聴時間より優先して確認する
  • 離脱を責めるセリフを使っていないか自分の台本を読み返す
  • 電話結果を視聴時間の段階別に記録して次回の線引きを見直す