先週、テレアポの架電リストを見直していて、ぞっとしました。同じ会社に、3人の営業がそれぞれ別の日に電話していたんです。理由は単純で、「担当者不在でした」という結果が、誰の記録にも残っていなかったから。同じ会社に3回電話して、3回とも「不在です」と言われて、それで終わり。これ、地味に一番もったいない失敗です。
展示会支援の現場でも同じことが起きます。会期中に名刺交換した相手に電話したら「担当者は今、席を外しています」。じゃあいつ戻るのか、いつなら捕まるのか。そこを聞かずに切ってしまうと、また同じ空振りを繰り返すんです。
「不在でした」は失敗ではなく、情報です
私がまず現場に伝えるのは、「不在」を恥じるなということです。テレアポも展示会後の架電も、不在は当たり前に起きます。問題は、不在だったという事実を「なかったこと」にしてしまうことです。
不在の回数、不在だった時間帯、電話に出た人が言った一言。これを記録しておくと、次にかける人がまったく違う動きができます。たとえば「火曜と木曜の午前は外出が多い」とわかれば、水曜の午後にかけ直せばいい。これだけのことなんですが、記録がないと毎回ゼロから同じ時間帯にかけて、また不在に当たります。
正直、地味です。エクセルに「不在・14時再架電希望」と書くだけの作業です。でもこの一行があるかないかで、次の一件が「商談化」するか「また不在」になるかが変わります。
電話に出た人から、次につながる一言を引き出す
担当者が不在でも、電話には誰かが出ます。その人から情報を取れるかどうかが分かれ目です。ここで「では失礼します」で切るか、もう一歩踏み込むかで、次回の架電の当たる確率がまったく違います。
私が現場でよく使うのは、こういう聞き方です。
「差し支えなければ、〇〇様がお戻りになるお時間帯だけ教えていただけますか。改めてこちらからご連絡します」
これだけです。無理に取り次いでもらおうとしない。担当者の予定を聞くだけなら、電話に出た人も答えやすいんです。ここで「午後は大体いらっしゃいます」と言われたら、それを記録に残す。次の架電は午後にかける。これだけで再架電の無駄打ちが減ります。
当社支援案件では、リスト設計を見直したことでテレアポのアポ獲得率が0.6%から3.2%まで上がった実績があります(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。この差の中身は、派手な話術ではなく、こういう「不在の記録」と「再架電のタイミング調整」の積み重ねでした。
判断の分かれ目:記録して待つか、別の人を探すか
ここで悩むのが、「担当者にこだわり続けるべきか、別の窓口を探すべきか」という判断です。私はこう線引きしています。
不在の回数が2回以内で、電話口の相手が具体的な戻り時間を教えてくれる場合は、その担当者を待ちます。時間さえ合わせれば、話が早いからです。すでに名刺交換済みの相手なら、なおさら待つ価値があります。
一方で、3回以上不在が続き、電話口の対応も曖昧な場合は、担当者にこだわるのをやめます。「他にご担当いただける方はいらっしゃいますか」と聞いて、別の窓口を探しにいきます。展示会で名刺交換した相手が必ずしもキーパーソンとは限りません。むしろ会期中に立ち話しただけの若手社員だったというケースもよくあります。
この2回・3回という基準は、感覚ではなく記録があって初めて数えられるものです。記録がないと「もう何回目だっけ」で毎回同じ迷いに戻ってしまいます。
展示会後のフォローほど、記録の差が出る
展示会支援では、会期中に集めた名刺をどう商談につなげるかが勝負です。TSUNAIDEでは、成果を名刺の枚数ではなく「次回商談の日程を確定できた件数」で測っています。設計込みで支援した展示会では、平均20件の商談化を実績として出しています(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。
この数字の裏側にあるのは、華やかな戦略ではなく、地道な架電記録です。会期後1週間以内に架電し、不在なら記録し、再架電のタイミングを決め、また架電する。これを一件一件、丁寧というより「泥臭く」繰り返しているだけです。
AI開発の現場でも似たことが起きます。試作を作って終わりにするプロジェクトは多いですが、当社の支援案件では試作から本番運用への移行率が82%です(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。この差も、結局は「動かした後の記録と改善を誰がやり切るか」に尽きます。ツールがあっても、記録して次に活かす人がいなければ、同じ壁で止まります。
実務チェックリスト
- 架電結果を「不在・再架電希望時間・対応者の一言」の3項目でその場で記録する
- 不在が2回続いた時点で、次の架電時間帯を朝・昼・夕方でずらして試す
- 不在が3回を超えたら、担当者以外の窓口を電話口で確認する
- 展示会後の名刺は会期終了から1週間以内に全件架電する
- 温度別(今すぐ客・検討中・情報収集段階)にフォロー文面を3種類つくる
- 週次で「不在のまま止まっているリスト」だけを抜き出して見直す
- 次回商談の日程が確定した件数だけを、週の成果として数える
