「その節はありがとうございました」。展示会で名刺をもらった会社に3日後に電話をかけたら、担当者にこう言われたことがあります。「まだ社内で検討中なので、また今度で大丈夫です」。丁寧な断り文句です。でも私、この電話のかけ方を完全に間違えていました。

1回目の電話で結果が出ないのは当たり前です。問題は、2回目をいつ、何を理由にかけるかを決めていないことなんです。多くの会社は「また今度連絡します」で終わらせて、そのまま二度とかけません。もったいないです。正直、地味な話ですが、この「間隔」と「理由」の設計だけで、商談化の数はかなり変わります。

1回目で切らない。でも1回目で「次の理由」を作る

私が現場で一番大事にしているのは、1回目の電話を「断られて終わり」にしないことです。断られた瞬間に、次にかける口実を作っておく。これに尽きます。

「承知しました。ちなみに、その検討って年内に結論出す予定ですか?それとも来期予算のタイミングですか?」

この一言を入れるだけで、次にかける時期が「なんとなく1ヶ月後」から「予算会議が終わる頃」という具体的なタイミングに変わります。相手も、次に電話がかかってきても「ああ、あの時の」と思い出しやすくなります。理由のない再架電は、相手にとってただの迷惑な繰り返しです。理由がある再架電は、フォローです。ここの違いを、電話をかける本人がちゃんと意識しているかどうかで結果が変わります。

間隔は「相手の業務サイクル」で決める。こちらの都合では決めない

よく「3日後にもう一度」「1週間後にもう一度」とルール化している会社を見ますが、私はこれをあまり信じていません。間隔は相手の業務サイクルに合わせるべきです。

判断の分かれ目はここです。展示会で「担当者が忙しい部署」だと分かった場合は、間隔を2週間以上あけます。逆に「今まさに困っている」という温度が伝わってきた場合は、翌営業日にはもう一度電話をかけます。この見極めを1回目の会話でできるかどうかが、2回目の成否を分けます。

「今、担当されてる業務って、〇〇と兼務でされてますか?」

この質問をすると、相手の忙しさの度合いがだいたい分かります。兼務が多い担当者は、返信も検討も遅くなります。間隔を詰めても迷惑がられるだけなので、こちらは長めに待つ。逆に専任担当で、かつ課題を具体的に話してくれた相手には、間隔を詰めて熱量が冷める前に次のアクションに繋げます。当社支援案件でテレアポのアポ獲得率が0.6%から3.2%まで上がった好調案件は、まさにこの温度別の間隔調整をリスト設計の段階から組み込んでいました。

何回目まで粘るか。ここも感覚ではなく条件で決める

「何回かければ諦めるべきか」もよく聞かれます。私の基準はシンプルで、相手から明確な「NO」の理由が出たかどうかです。

「今は予算がない」「担当が変わる」「他社で導入済み」。こういう具体的な理由が出た場合は、その理由が解消されるタイミングまで待ちます。逆に「検討します」「またこちらから連絡します」のような、理由のない先延ばしの場合は、3回まではこちらから架電を続けます。3回目でも同じ返答が続くなら、いったん架電は止めて、資料送付やメールでの接触に切り替えます。ここで無理に電話を続けると、相手にとって「しつこい会社」という印象だけが残ります。展示会で得た名刺の価値を自分たちで潰してしまうことになるんです。

結局、商談の日程が確定するかどうかがすべて

TSUNAIDEでは、成果を名刺の枚数では測りません。次回商談の日程を確定できた件数で測っています。展示会で名刺を100枚集めても、そこから日程が確定した商談が0件なら、それは成果としてカウントしません。

だからこそ、1回目の電話のクロージングでは必ずこう聞きます。

「では、来週の水曜か木曜、30分だけお時間いただけますか?」

「検討します」で終わらせず、日程の話まで持っていく。これができるかどうかは、それまでの架電の間隔設計と、理由作りの積み重ねでしかありません。派手な戦略ではなく、地味な調整の連続です。展示会支援を通じて当社支援案件・2026年時点の実績値では、設計込みで支援した展示会1回あたり平均20件の商談化が生まれていますが、これも全部、こういう泥臭い架電設計の積み重ねの結果です。

  • 展示会後の初回架電で必ず次回架電の理由を一つ聞き出す
  • 相手の役職と兼務状況をメモして間隔判断の材料にする
  • 温度別に架電間隔を3パターン(翌営業日・1週間後・2週間後)に分けて運用する
  • 理由のない先延ばしは3回までを上限に架電を続ける
  • NOの理由が明確な相手は理由が解消される時期を記録して再アプローチする
  • クロージングでは検討ではなく具体的な曜日と時間を提示する
  • 3回架電しても進展がない相手はメールや資料送付に接触方法を切り替える