先月、新人スタッフの電話を横で聞いていて、思わず止めました。「御社の事業内容を拝見しまして、ご興味あるかと思いご連絡しました」。これ、何も見ていないのと同じなんです。相手からすれば「うちの何を見たの?」としか思えません。私も駆け出しの頃、同じような電話をかけて、ガチャ切りされたことが何度もあります。
電話は準備が9割です。話し方のトレーニングより先に、サイトの見方を変えるだけでアポ率は変わります。実際、リスト設計とあわせて見る場所を見直した案件では、アポ獲得率が0.6%から3.2%まで上がりました(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。今日は、その「見る場所」を具体的に書きます。
採用ページを見る。困りごとが一番出る場所だから
会社のサイトで一番本音が出るのは、実は採用ページです。募集職種、求める人物像、「こんな課題があります」という記述。ここに、その会社が今まさに困っていることが書いてあります。
例えば「営業事務の負担軽減のため」という一文が採用ページにあったら、それはもう課題を向こうから教えてくれているようなものです。私ならこう切り出します。
「求人票拝見したのですが、営業事務のご負担、まだ紙やExcelで管理されてます?」
ここで大事なのは「拝見した」で終わらせないことです。何を見て、何に気づいたかまでワンセットで話す。これだけで「ちゃんと見てくれている」という空気に変わります。
更新日を見る。動いているか、止まっているかで話し方を変える
次に見るのは、お知らせやブログの更新日です。ここで判断が分かれます。
直近1〜2か月以内に更新がある会社は「今、動いている」会社です。この場合は展示会出展やイベント登壇など、直近の動きに絡めた話し方が刺さります。
「先日の展示会のレポート拝見しました。反響、いかがでしたか?」
逆に、更新が半年以上止まっている会社は、情報発信に手が回っていない、あるいは人手不足のサインです。この場合は動きを褒めるのではなく、負担そのものに切り込みます。
「サイトの更新、なかなかお手が回らない状況だったりしませんか?」
動いている会社に負担の話をしても響きませんし、止まっている会社に成果の話をしても空振りします。ここの見極めを間違えると、最初の一言で相手の心が閉じてしまうんです。
会社概要の従業員数と設立年を見る。決裁のスピードが変わるから
会社概要は地味なページですが、実は一番実務的な情報が詰まっています。従業員数と設立年です。
従業員数が少なく(体感で20名以下)、設立から日が浅い会社は、社長本人が現場の課題を把握していることが多いです。この場合は、遠回しな言い方より、単刀直入に困りごとを聞いた方が早いです。
「社長ご自身で、今の営業体制に手応えありますか?」
逆に従業員数が多く、部署が明確に分かれている会社は、電話口の担当者に決裁権がないケースがほとんどです。この場合は初回の電話で無理に商談を取りにいかず、「誰につなぐべきか」を確認することに徹します。
「この件、ご担当は総務さんと営業企画さん、どちらになりますか?」
ここで焦って一気に商談まで持っていこうとすると、担当者に断られて終わりです。会社の規模で「誰に何を聞くか」を変える。これだけで無駄な空振りが減ります。
結局、見るのは「相手が今、何に困っていそうか」の手がかりだけ
正直に言うと、これは地味な作業です。1件の電話のために、採用ページと更新日と会社概要を見る。1日100件かける現場では、時間との勝負にもなります。それでも私は、この地味な準備を飛ばした電話はかけません。準備なしの電話は、相手にもすぐバレるからです。
展示会支援でも同じことをしています。当社が支援する展示会では、事前に来場予定企業のサイトを見て、ブースでの声かけ内容を変えています。だからこそ、設計込みで支援した展示会では平均20件の商談化につながっています(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。電話も展示会も、結局は同じで「相手を見てから話す」というだけの、地道な積み重ねなんです。
私はこれまで50社以上の支援に関わってきましたが(当社支援案件・2026年時点の実績値です)、うまくいく現場ほど、この準備の時間を削っていません。派手な台本より、地味な下調べです。
- 電話前に採用ページを開き、募集職種と求める人物像を確認する
- お知らせ・ブログの最終更新日をチェックし、1〜2か月以内か半年以上前かで話し方を分ける
- 会社概要で従業員数と設立年を確認し、決裁者への近さを見積もる
- 見つけた手がかりを使った一言を、電話の冒頭30秒以内に入れる
- 会期前に温度別(今すぐ客・検討中・情報収集)のトークテンプレを3種類つくる
- 電話の結果を「アポ獲得」ではなく「次回商談の日程が確定したか」で記録する
- 週1回、直近の電話の切り出し文をチームで読み合い、刺さった言い回しを共有する
