展示会が終わった翌日、私は名刺の束を前にして固まっていました。150枚。全部に電話するのか、メールするのか。決めきれないまま、とりあえず全員にお礼メールを一斉送信したんです。結果、返信は3件。そのうち商談につながったのはゼロでした。

あのとき、私は「効率よく」と思ってメールを選びました。でも本当は、判断を先延ばしにしただけだったんです。電話は緊張します。断られるかもしれない。メールなら、その場の気まずさを避けられる。正直、逃げていました。

結論から言うと、温度で決める

電話とメール、どちらが正しいという話ではありません。相手の温度で決めます。ここでいう温度とは、展示会ブースでどれだけ具体的な話をしたか、です。

「予算は来期からですね」「担当者に共有します」など、具体的な言葉が出ていた相手には、電話を先に打ちます。熱が冷めないうちに、日程の話まで持っていきたいからです。

逆に「資料だけください」「情報収集です」と言われた相手には、メールを先にします。電話をかけても、向こうは身構えるだけです。まだ心の準備ができていない相手に電話は逆効果なんです。

電話で言うべきことは、たった一言

電話の目的は、関係を深めることではありません。次回の日程を確定させることです。ここを勘違いすると、雑談で終わって切ります。

「先日は展示会でありがとうございました。あの時お話しされていた〇〇の件、来週か再来週で30分だけお時間いただけないですか?」

これだけです。長い前置きも、近況の確認もいりません。日程を聞く。これに尽きます。相手が「来週は難しい」と言えば、「では再来週の火曜か木曜、どちらが動きやすいですか」と、さらに具体的に聞きます。ここで止まらないことが大事です。

メールは「読まれない前提」で書く

メールを先に打つ相手には、件名と最初の一文だけで判断されると思ってください。長文の自己紹介は読まれません。

件名:〇〇様、先日ブースでお話しした在庫管理の件です
本文:先日は展示会にお越しいただきありがとうございました。〇〇の管理、まだ紙でやられてません?もしよろしければ、15分だけオンラインでお話しできればと思います。

ブースで交わした一言を件名に入れる。これだけで開封率が変わります。「先日はありがとうございました」だけの件名は、正直、埋もれて終わります。

判断に迷ったら、こうする

温度がはっきりしない相手、つまり「名刺交換だけして、あまり話せなかった」というケースが一番悩みます。私はこういう相手には、電話を先にしています。理由は単純で、メールは無視されても気づきませんが、電話は出なかった記録が残るからです。出なければ、そのあとのメールに「先ほどお電話差し上げたのですが」と書けます。これがあるとないとでは、次のメールの開封率がまったく違います。

当社のテレアポ支援では、リスト設計を見直したことで、アポ獲得率が0.6%から3.2%まで上がった案件があります(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。これも、電話をかける相手を「温度で仕分けた」ことが大きかったんです。全員に同じトーンで電話をかけていた頃は、0.6%のままでした。

結局、地味な仕分け作業がすべて

展示会支援で私たちが大事にしているのは、名刺の枚数ではありません。次回商談の日程が確定した件数です。当社が設計込みで支援した展示会では、平均20件の商談化を実現しています(当社支援案件・2026年時点の実績値です)。この数字の裏にあるのは、派手な戦略ではなく、名刺を温度別に仕分けて、電話とメールを使い分けるという、地味な作業の積み重ねです。

正直、面白くはないです。名刺を見ながら「この人は電話、この人はメール」と一枚ずつ判断していく作業は、地道としか言いようがありません。でも、ここをやり切るかどうかで、商談化率がまったく変わります。

  • 展示会当日のうちに名刺を「温度3段階」で仕分ける
  • 具体的な会話があった相手のリストを翌日中に作る
  • 電話用の一言トークを事前に3パターン用意する
  • メール件名にブースで交わした固有名詞を入れる
  • 電話がつながらなかった相手には24時間以内にメールを送る
  • 日程が決まった相手から順にカレンダーへ確定させる
  • 温度が低い名刺リストも捨てずに翌月再アプローチの予定を入れる