「営業リスト、買ったほうが早いですか」。よく聞かれます。答えは「買ってもいいが、買っただけでは動かない」です。

購入リストそのものが悪いわけではありません。うちも使います。問題は、買った瞬間に「リストができた」と思ってしまうことのほうです。ここで止まると、数万円が数十時間の空振りに変わります。

買ったリストで空振りする、3つの理由

1. 情報が古い

担当者が異動している、部署がなくなっている、そもそも会社が移転している。リストの鮮度は、売り手ではなく買い手の責任になります。かけてみて初めて分かるので、最初の数十件は品質チェックのための架電だと思ったほうがいいです。

2. 同じリストに、他社も同時にかけている

これがいちばん効きます。市販のリストは自社だけのものではありません。同じ週に同じ会社へ、似た商材の電話が何本もかかっている可能性があります。相手からすると「またか」です。受付の突破率が落ちるのは、話法のせいではなく順番待ちのせいだったりします。

3. 「条件」で絞られていて、「課題」で絞られていない

購入リストの絞り込み条件は、業種・地域・従業員規模・売上といった外形情報です。ここには「いま困っているかどうか」が入っていません。条件が合う会社と、いま必要としている会社は、別物です。

買えるのは「会社の一覧」であって、「いま困っている会社の一覧」ではありません。

買うなら、買ったあとに必ずやること

① 自社の受注ログと突き合わせる

過去に受注した会社の共通項を出して、購入リストをその条件で並べ替える。買った1,000件のうち、自社にとって上位の200件がどれかを先に決める。この作業をしないまま上から順にかけるのが、いちばんもったいない使い方です。

② 公開情報でシグナルを足す

採用情報とニュースリリースを見れば、タイミングのシグナルが拾えます。「経理担当を募集している会社」は経理業務が溢れている。「拠点を増やす会社」は管理コストが増える。買ったリストに、買えない情報を足す。ここが差になります。

③ 断られた理由を、リストに書き戻す

購入リストは「使い捨て」になりがちです。でも、かけた結果を書き戻さないと、来月も同じ会社に同じ話をします。買ったリストを、自社のリストに育てる。詳しいやり方は テレアポリスト設計の8つの型 に書きました。

買わないほうがいい場合

次のどれかに当てはまるなら、購入は後回しでいいと思います。

・手元に使っていない名刺がある——展示会やセミナーで集めた接点が眠っているなら、そちらが先です。すでにお金を払って獲得した接点で、しかも一度は会っています。
・過去の失注リストを触っていない——「今回は見送り」と言われた会社は、時期が来れば戻ってきます。新規より近い場所にいます。
・受注の共通項がまだ言語化できていない——絞り込む軸がない状態で買うと、条件の付け方が決まりません。まず自社の受注ログを見るところからです。

TSUNAIDE の場合

うちはリスト設計から入ることが多いです。購入リストを使うこともありますが、そのまま上から架電することはしません。受注ログからの逆算と、公開情報でのシグナル抽出を先にやります。実際、リスト設計を見直しただけでアポ獲得率が0.6%から2.6%に動いた案件がありました(母数955件)。話法は変えていません。

リストは契約が終わったあとも手元に残る形でお渡しします。属人で勝ったら、それは負けだと考えているためです。依頼の条件は サービスページ に一覧で出しています。

— まとめ

買うより、育てるほうに時間を使う

購入リストが空振りするのは、情報の古さ・他社との重複・課題ではなく条件で絞られていること、の3つが理由です。買うなら、受注ログとの突き合わせ・公開情報でのシグナル追加・断られた理由の書き戻しをセットで。眠っている名刺や失注リストがあるなら、購入はその後で間に合います。

アポ率の目安は テレアポのアポ率、平均はどれくらいか、費用の考え方は テレアポ代行の費用は、何で決まるのか に書きました。