「間に合ってます」「今は必要ない」「資料を送ってください」。テレアポで返ってくる言葉は、だいたい数種類に収まります。

切り返しのトーク集はいくらでも出回っていますが、暗記した切り返しほど滑ります。うちが現場でやっているのは、切り返す前に一拍置くことです。

断り文句は、断りではないことがある

「間に合ってます」は、多くの場合「いま考えるコストを払いたくない」という意味です。本当に間に合っているなら、話はもっと具体的になります。「A社さんと契約しているので」のように。

つまり、返ってきた言葉が本当の理由なのか、その場を終わらせるための言葉なのかを先に見分ける。ここを飛ばして切り返すと、相手は「話を聞いてもらえなかった」と感じます。

切り返す前に、それが本当の理由かどうかを確かめる。

よくある4つと、その正体

「間に合ってます」

正体はたいてい、判断を保留したいだけです。ここで粘るより、何と比べて間に合っているのかを一言聞くほうが情報が取れます。「いまはどちらでやられてますか」。答えが返れば会話が始まり、返らなければ本当に興味がないと分かります。

「今は必要ない」

「今は」に情報があります。時期の問題なのか、そもそもの話なのか。「次に検討されるとしたら、どのタイミングですか」で切り分きます。時期が返ってくれば、それは失注ではなく予定です。

「資料を送ってください」

丁寧な断りとして使われることが多い言葉です。ただ、送ること自体は悪くありません。問題は送って終わりにすること。送る前に「どのあたりが気になりますか」を聞ければ、次に電話する理由ができます。

「決裁権がないので」

これは断りではなく、情報提供です。誰が決めるのかを教えてくれている。ここで引き下がらず、「どなたにお話しするのが早いですか」まで聞けるかどうかで、次の一手が変わります。決裁者に届いた案件の商談化率は22.2%(母数859件)という実測があり、届くかどうかが最大の分岐です。

切り返しより大事なこと

断られた言葉を、その場で処理して終わらせない。これに尽きます。

100件かけて1件アポなら、残り99件には「なぜ要らないか」の答えが入っています。これを分類して翌週のリストとトークに戻すと、同じ断り文句が来る回数そのものが減ります。切り返しが上手くなるのではなく、断られにくいリストになるということです。

うちが全通話を録音しているのは、この99件を拾うためです。詳しくは テレアポの通話録音は、録るだけでは意味がない に書きました。

— まとめ

切り返す前に、一拍置く

断り文句の多くは本当の理由ではなく、その場を終わらせるための言葉です。「間に合ってます」なら何と比べてか、「今は必要ない」ならいつなら、「決裁権がない」なら誰に。一言確かめるだけで、断りが情報に変わります。そして拾った断り理由を翌週のリストに戻せば、同じ断りが来る回数自体が減ります。

受付を抜ける前の話は テレアポの受付突破は、最初の20秒で決まる、話法そのものの考え方は スクリプトを捨てた日 にあります。