テレアポで落ちる場所は、だいたい決まっています。担当者に繋がる前、最初の20秒です。ここを抜けないと、どれだけ良い提案を用意していても一度も話せません。

うちは全通話を録音して、受付突破と切り返しを AI でスコアリングしています。どの局面で落ちているかを、感覚ではなく点数で見るためです。そこで見えたことを書きます。

受付の人は、断るのが仕事ではない

まずここを勘違いすると全部ずれます。受付の役割は「取り次ぐべきかを判断すること」であって、断ることではありません。判断できない情報を渡されるから、安全側に倒して断っているだけです。

だから突破の設計は「どう押し切るか」ではなく、「どうすれば取り次ぐ判断ができるか」になります。

落ちる話し方、3つのパターン

1. 用件が抽象的すぎる

「営業支援のご提案で」「業務効率化のお話で」。これでは誰に繋げばいいか判断できません。抽象的な用件は、判断を放棄させるので断られます

2. 誰宛てか決まっていない

「ご担当者様」は、社内に該当者が複数いる会社ほど機能しません。部署名まで決めてかけると、受付は取り次ぎ先を探す作業に入れます。調べる手間を、こちら側で先に払っておくということです。

3. 声が「売り込み」の形をしている

不自然に明るい、早口、語尾が上がる。内容以前に、音で分類されます。録音を聞き返すといちばん分かるのがここで、同じ台本でも通る人と通らない人がいる理由の多くは声の形です。

受付は断る係ではなく、判断する係。判断材料を渡せば、通ります。

最初の20秒で入れる3つの情報

① 誰に——部署か役割まで指定する。「〇〇の管理をされている部署の方」でも十分です。
② 何の件で——課題を主語にする。「営業支援」ではなく「架電のリスト作りの件で」。相手の業務の言葉に翻訳できているかがすべてです。
③ なぜ今か——「同業で〇〇の相談が増えていて」など、いま話す理由。ここが弱いと「資料を送ってください」に流れます。

この3つが20秒に収まっていれば、受付は判断できます。逆に、この3つのどれかが欠けている電話は、話法をいくら磨いても通りません。

それでも通らないときは、リストを疑う

ここが本題かもしれません。受付突破率が全体的に低いとき、原因が話法にあることは実は少ないです。多いのは、そもそも「その会社にその用件で電話をかける理由が薄い」ケースです。

課題を持っていない会社に、課題を主語にした電話をかけても、当然ながら噛み合いません。話法の練習に入る前に、リストの絞り方を見直したほうが早いことが多いです。実際、リスト設計を変えただけでアポ獲得率が0.6%から2.6%に動いた案件があります(母数955件)。話法は一切変えていません

リストの絞り方は テレアポリスト設計の8つの型 に書きました。

— まとめ

押し切るのではなく、判断させる

受付は断る係ではなく、取り次ぐべきかを判断する係です。「誰に・何の件で・なぜ今か」の3つを20秒で渡せば、判断できます。抽象的な用件、宛先の不在、売り込みの声。この3つで落ちます。ただし突破率が全体的に低いときは、話法ではなくリストを疑ってください。

切り返しの話は テレアポの断り文句、切り返す前にやること、録音の使い方は こちら に書いています。